結論から言うと、獣医(獣医師)になるためには、必ず大学の獣医学部(6年制)を卒業しなければなりません。
日本では「獣医師法」という法律により、国家試験の受験資格は大学で6年間の課程を修めた者に限定されています。そのため、専門学校を卒業するだけでは、たとえ何年通ったとしても獣医師になることはできません。まずはこの大前提を正しく理解しておきましょう。
獣医になるまでの道のりは、法律で厳格に定められています。大まかな流れは次のとおりです。
獣医師は人の医師と同様に、高度な専門知識と技術が求められる仕事です。そのため、一般的な4年制大学ではなく、6年間の教育を受けることが義務付けられています。入学後は生理学や解剖学などの基礎から、外科・内科などの臨床、公衆衛生まで幅広く学びます。
動物の医療に関わる仕事を探していると、専門学校で目指せる「愛玩動物看護師」という資格を目にすることが多いかもしれません。これは2022年に誕生したばかりの新しい国家資格です。
動物病院で働くプロフェッショナルという点では同じですが、実は「獣医師」と「愛玩動物看護師」では、法律で認められている役割が大きく異なります。獣医師は診断や手術、薬の処方を行いますが、愛玩動物看護師はそれらを専門的にサポートする役割を担います。
「自分で診断や治療を行いたいのか」それとも「看護のプロとしてサポートしたいのか」によって、選ぶべき学校が変わってきます。「どちらの仕事が自分に合っているか」を考えることが、後悔しない進路選びの第一歩になるでしょう。
「一度専門学校で学んでから、大学の獣医学部に編入すればいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、獣医学部において専門学校からの編入制度を設けている大学は極めて稀です。
仮に編入ができたとしても、専門学校の学費と大学の学費が二重にかかるほか、卒業までに合計で8年以上の歳月を要することになります。最短・確実に獣医師を目指すのであれば、最初から大学の獣医学部を受験するのが最も現実的な選択です。
「獣医師(診断・手術をする人)」ではなく、以下の目的がある場合は、専門学校へ通うことが非常に有効な選択肢となります。
専門学校の最大のメリットは、現場で即戦力となるスキルを短期間で習得できる点です。愛玩動物看護師として獣医師をサポートしたい方や、ペットトリマー、ドッグトレーナーなど、動物に関わる多様な職種を目指す場合は、専門学校が向いています。
専門学校は2〜3年で卒業できるため、大学よりも早く社会に出ることができます。動物との接し方や飼育管理、しつけの技法など、実技を中心としたカリキュラムで学びたい人にとって、専門学校は適した環境といえるでしょう。
「動物に関わる仕事がしたいけれど、獣医師にこだわっているわけではない」という方も、専門学校が候補に入ります。ペットショップでの販売、動物園・水族館の飼育員、ペット保険会社など、獣医師免許がなくても活躍できるフィールドは数多くあります。各職業に特化した試験対策ができるのも専門学校の魅力です。
「動物を診察・治療したい」という目標があるなら、迷わず大学を選択しましょう。
繰り返しになりますが、獣医師として自分の手で動物を救いたいのであれば、大学進学は必須ルートです。大学の6年間では、動物の体に関する深い知識だけでなく、伝染病や食品安全といった人間社会を守るための高度な医学知識も身につけます。
獣医師国家試験の合格率は例年80%〜90%前後と高い水準ですが、これは6年間の厳しいカリキュラムを乗り越えた学生のみが受験しているからです。しっかりとした教育環境で学びたいなら大学が最適です。
獣医師の活躍の場は動物病院だけではありません。公務員として家畜保健衛生所や検疫所で働いたり、製薬会社で新薬の開発・研究に携わったりすることも可能です。こうした高度な専門職の多くは、獣医師免許が採用の条件となっています。キャリアの選択肢を最大限に広げたい方は、大学への進学を強くおすすめします。
日本獣医生命科学大学は、座学から実習まで充実したカリキュラムが用意されています。年次に合わせたカリキュラムになっており、獣医学の基礎から学ぶことが可能です。また、遺伝子工学・分子生物学をはじめ多彩な領域・テーマを研究できる環境も整っています。
このほか、獣医療におけるコミュニケーション実習など、実際の診療現場に即した実習教育も行っています。
日本大学の獣医学部は、附属病院をはじめとする実習環境・設備が整っています。病院実習を通して専門的な治療技術・方法について学んだり、牧場で動物と触れ合ったりしながら実践力を磨けるのが特徴。カリキュラムも豊富で、獣医学の基礎から応用・臨床まで幅広い領域を学べます。
また全国的な同窓生ネットワークがあるのもポイント。卒業後も同窓生の手厚いサポートを受けられます。
北里大学の獣医学部は、実践力の育成に重点を置いたカリキュラムを提供しています。そのため、より現場に即した知識や技術を身に付けることが可能。また海外研修も実施するなど、世界レベルの技術を学べる機会も用意しています。
一方で学生のサポートも手厚く、学生相談員に勉強や人間関係、アルバイトのことなど幅広い悩みを相談できます。
麻布大学の獣医学部は、知識・技術の順次性を確保しながら、獣医学の領域を幅広く学べるように専門的なカリキュラムを設定しています。
学部内に数十の研究室を設置しており、3年次(希望者は1年次)から自分の興味がある領域を学べるのが魅力です。実習設備も充実しているため、高度な知識と技術を身につけることができます。
酪農学園大学の獣医学部は、獣医学における専門分野・領域を総合的に学習できるカリキュラムを用意しています。基礎から専門科目まで、複数の教育科目で構成されており、1年次から6年次にかけて、徐々に高度な内容を学べる授業編成が特徴です。
また、獣医師における倫理観や動物福祉などの分野についても学習できます。
岡山理科大学の獣医学部は、ライフサイエンスなど3つの分野で専門的なカリキュラムを提供しています。大規模な研究・実習施設も備えており、高度な知識・技術を身につけることが可能。設備は教師と共有のため、教師との共同研究も簡単に行えます。
また、獣医師国家試験の対策にも力を入れているのもポイント。専門の教育プログラムで獣医師国家試験の対策授業が受けられます。
東京大学の農学部獣医学課程(理科二類)は、生物学や化学を中心に高度な獣医療について学ぶことが可能です。また、動物の公衆衛生や畜産に関する内容について学んだり、実習で実践力を磨いたりできます。
さまざまな知識・スキルが身につくため、就職先の選択肢も豊富です。動物病院はもちろん、教育・研究職など、さまざまな仕事に携われます。
北海道大学の獣医学部は、動物医療センターなどの教育・研究施設が備わっています。動物の専門的な治療方法や診断・診療方法について学べるほか、さまざまな技術を身につけることが可能です。
また、導入教育からアドバンスト教育まで、カリキュラムが体系化されているのもポイント。6年間で獣医学の専門的な内容を学べるようになっています。
東京農工大学の共同獣医学科では、動物の疾病の予防や治療、動物福祉などを体系的に学べるカリキュラムが用意されています。
獣医師の養成はもちろん、高度な獣医療技術の習得や公衆衛生・感染症対策など、幅広い領域の知識を身につけられるのがメリット。卒業後の就職先の選択肢も豊富で、医療関連だけでなく、公務員や研究職に就いている卒業生も多くいます。
大阪公立大学の獣医学部は、獣医学に関する高度な専門知識と技術が身につくカリキュラムを用意しています。近畿圏内の動物病院や自治体とも連携しており、現場を体験できる参加型教育を実施しているのもポイントです。獣医師の仕事を実際に体験しながら実践力を磨けます。
教育科目も豊富で、多様な分野を学べるのもメリット。幅広い教養が身につきます。
山口大学の共同獣医学部は、生体機能学や病態制御学、臨床獣医学などについて学べます。病気の予防や感染症・免疫病の基礎や健康管理まで、さまざまな領域の知識と技術を磨くことが可能です。
また、鹿児島大学共同獣医学部と連携しており、遠隔授業システムを使って相手大学の講義を受講できる環境も用意されています。
鳥取大学の共同獣医学科は、動物と人の社会の繋がりや動物の健康福祉など、さまざまな領域について学ぶことが可能です。カリキュラムは解剖学や生理学、伝染病学など複数の科目に分かれているのが特徴です。
農学部附属動物病院での診察・治療見学や臨床総合実習を通して、獣医師に必要な診療行為の基本を会得できる環境が整っています。
宮崎大学の獣医学科は、基礎獣医学や応用獣医学をはじめ、多数の領域を体系的に学べるカリキュラムが用意されています。1年次から始まる導入科目をベースに、基礎・応用へとステップアップできる実践的な内容になっています。
また、卒業後の進路も豊富で、動物医療はもちろん、公衆衛生や農林水産畜産分野など幅広い領域での活躍が可能です。
帯広畜産大学の共同獣医学科は、多様な分野で活躍できる獣医師の育成に力を入れています。動物の疾病診断・予防技術に関する実践的な技術を身につけられるほか、公衆衛生分野についても深く学ぶことが可能です。
産業動物臨床棟や病態診断棟など複数の施設を有しており、臨床から病理検査までのプロセスを一通り学べる臨床・実習環境が整っています。
岩手大学の共同獣医学科は、高度な獣医療の知識・技術を習得できる環境が用意されています。東京農工大学と連携しており、動物臨床や野生動物保護など、幅広い分野で活躍できる獣医師の養成に注力しているのが特徴です。
現場での教育や参加型の臨床実習など、実践教育を重視しているのもポイントです。
鹿児島大学の共同獣医学部では、獣医学の基礎や病態予防、臨床などを基本から学べるカリキュラムを用意しています。国際水準の獣医学教育の提供に力を入れており、初年次から卒業まで体系的な教育課程を編成しているのが特徴です。
卒業後は獣医師国家試験の受験資格を得られるだけでなく、さまざまな資格を取得することが可能です。
岐阜大学の共同獣医学科は、鳥取大学と共同で高度な獣医学教育の提供に取り組んでいます。動物の病気の診断・予防技術を習得できるのはもちろん、動物倫理や動物福祉についても学ぶことが可能。
個別指導や体験学習を加えたカリキュラムを用意しており、獣医学の基礎・応用を身につけられるようにしています。
以下では、動物医療や看護、飼育などについて学べる専門学校をご紹介します。
数千時間のカリキュラムで動物看護について学べる専門学校です。動物看護の理論や保定の方法、応急処置など、獣医に必要な知識やスキルも磨けるのがメリット。現場を意識したカリキュラムで実践力を身につけられます。
動物飼育ができる環境で、動物分野に関する幅広い知識を身につけられる専門学校です。屋外施設や実習施設を揃えており、動物保護団体や関係者らと関わりを持ちながら、動物飼育や看護などについて学べます。
動物の美容と看護について学べる専門学校です。特に獣医療技術の一つである保定に力を入れており、実習時間を多く確保しているのがポイント。獣医でも活きるスキルが身につきます。一方、トリミングなど美容分野についても幅広く学べます。
獣医や動物看護師など、専門家のもとで動物医療について学べる専門学校です。動物医療の基礎的な知識はもちろん、専門領域についても広く学ぶことが可能。獣医に求められる知識や即戦力・実践力を身につけられます。
獣医を目指すにあたって、専門学校と大学のどちらがいいかは人それぞれです。最短ルートで獣医を目指すなら大学が向いていますが、知識を磨くなら専門学校も候補に入ります。自分が目指す獣医の将来像を思い浮かべ、慎重に判断しましょう。
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※1 参照元:東京メディカル学院公式(https://jyuui.tokyo-medical.jp/)
※2 参照元:VET公式(https://vetprep78.com/result/)
※3 引用元:東京メディカル学院公式(https://jyuui.tokyo-medical.jp/page/interview/16/)
※4 参照元:VET公式(https://vetprep78.com/experience/#interview-1)